NFL超入門!~群雄割拠の32国志演義~

アメリカで最強の人気を誇るNFL。人間を超越したNFLの名選手や、試合結果・移籍情報などのニュースを熱くレポートします!

スポーツビジネスとしてのNFL

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NFLはとにかく面白い。僕はスポーツほとんど見ない人間だが、NFLだけはハマってしまった。まるで海外ドラマにハマった人間のように、フットボールについて検索の鬼になってしまっている。気がつけば、このブログもNFLの情報をまとめているばかりである。

 

アメリカ国内で圧倒的な人気

さて、アメリカのテレビでは様々な番組が流れているが、その中でスポーツが占める割合が1.5%だそうだ。100分の1.5にしか満たないこの商品構成だが、ツイッターなどは48%がスポーツのことを話題にしている。

国民の娯楽(National Passtime)と呼ばれるアメリカのメジャースポーツは、

  1. NFL アメリカンフットボール
  2. MLB ベースボール
  3. NBA バスケットボール
  4. NHL アイスホッケー

このうち、国民にその人気を問うたところ、NFLは第一位で33%、第二位はMLBで15%、その他は5%にとどまる。さらに興味深いのが、この調査が始まった1985年では、NFLは23%で1位だが、2位のMLBは22%と非常に近い。

つまり、NFLはスポーツ単体の商品魅力だけでなく、そのビジネスに様々な工夫を凝らして野球ファンという市場を奪い、30年かけて圧倒的なシェアトップに君臨しているのである。

 

世界のなかでも指折りの成功事例

さらに海外のものも含めても、NFLは巨大ビジネスです。アメリカフォーブス誌の調査によると2016年度の業界全体の売上高は133億ドル、1兆5100億円。対してMLBは95億ドルと7割の規模である。大成功とされているイングランドプレミアリーグでさえ33億ポンド(5180億円、スポーツ業界3位)であるので、その規模は3倍ということになります。

 

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観客動員数として見てみると、圧倒的な数字をもってるのはメジャーリーグです。(青色のグラフをみてください。)MLBが7300万人を年間集めています。世界9カ国の全てのサッカーリーグの観客動員合計数が7300万に満たないことと比較しても、ものすごい数の人間が野球をみてると言えます。日本プロ野球NPB)は2650万人ですから、サッカーはもっと動員を頑張れるんじゃないかとも感じます。

対するNFLは1700万人です。NPBより少ないですが、年間試合回数が16回と少ないため、1試合あたりの動員数で比較すると、7万人弱と極端に高い数値です。

 

各クラブの資産価値を評価する

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これもフォーブスが調査してデータをまとめてくれています。ウィキにまとめてありましたので、添付します。

 ダラス・カウボーイズが断トツのトップです。トップ10のうち半分をNFLが占め、MLBヤンキースNBAニックスがいますので、マンU、レアルマドリッドバルセロナの3社のみ。トップ10のうち7をアメリカ人が制覇しています。

そして32チームあるNFLフランチャイズの中で赤字球団はゼロ。完璧な黒字経営をしています。ちなみにForbesが編集した、NFL球団の中で資産価値の高いトップ10の動画がありましたので、ここに紹介します。

【動画】

 

ビジネスとして大変成功しているNFL。どんな工夫がなされているのか。今回はNFLから学んでいきたい。

 

【戦略その1】戦力均衡を測る

 NFLで素晴らしいのは、まさにここです。51年間スーパーボウルが行われていますが、2連覇したチームは32チーム中6チームだけ。

優勝チーム 回数 年度 クォーターバック
パッカーズ 1-2 1967-1968 バート・スター
ドルフィンズ 7-8 1973-74 ボブ・グレイシー
スティーラーズ 9-10 1975-76

テリー・ブラッドショー 

スティーラーズ 13-14 1979-80 テリー・ブラッドショー 
カウボーイズ 27-28 1993-94 トロイ・エイクマン
ブロンコス 32-33 1998-99 ジョン・エルウェイ
ペイトリオッツ 38-39 2004-05 トム・ブレイディ

 そして、3連覇したチームは未だかつて無い。(バッファロー・ビルズみたいに4度連続でスーパーボウルに出場したチームはありました。)

実力が拮抗してるわけです。だからどのチームも応援のし甲斐があるわけですね。ひょっとしたらうちのチームが今年は勝つかも!って思いながら応援してるのと熱の入り方が違いますからね。さぁ、問題はこの均衡をどのようにして実現しているかです。大きく分けると3つです。

 

1. レベニューシェア

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 NFL放送権料はリーグが契約します。他のスポーツなら各球団が個別に放送権料を売買しますから、各試合ごとに値段が違ったりします。つまり価格競争が生まれたりするわけです。NFLではそれを許してません。だから放送権料は非常に高額で取引されています。それだけでなくスポンサー契約もリーグと行います。そして各スタジアムでのチケット売上、そしてグッズ売り上げの全てをリーグが総取りします。32チームありますから、結構な額になりますね。そして、その儲けを32チームに均等に分配するわけです。こうして各チームの戦力格差の減資となる経営資源の均等化を実現しています。

2. サラリーキャップ制度

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 NFLでいう経営資源となるのは、カネとヒト、つまり選手ですね。良い選手が集まればチームは強くなります。しかし過去の読売巨人軍のようにお金にものを言わせて、有名選手ばかり集められると、どうしても戦力格差が生まれてきます。それに他のチームではレギュラーになれる選手が、控えにまわるなどします。

 NFLではこれを完全に阻止するため、選手に支払う総額予算を全チーム共通としています。その予算189億円と設定しています。各チームおよそ60~70人くらい選手がいますから、一人あたり3億円くらい。日本だと十分すぎると思いますが、アメリカですとトップ選手の年俸は10億を超えますから、この予算制度は非常に効果的に機能しています。

 キャップを設定するだけでなく、フロアも設定されています。これによってダメな安い選手ばっかり集めて、球団経営の旨味だけで経営努力をしない悪徳オーナーを排除しています。フロアはおよそキャップの85-90%とされています。

 

3. ウェーバー制ドラフト

 

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 昨年の成績の悪いチームから優先的に、選手を指名できる制度です。日本のように同じ選手に多球団が同時指名して、くじ引きする。というのはNFLでは許していない。基本交渉事です、日本の制度は大変珍しい幼稚な仕組みであると言えます。(※ドラフトは4月下旬から3日間かけて開催されます。)

 しかし、選手側の立場からすると、嫌なものです。大学でスタープレイヤーとして実績を残し、己のキャリアは世界一になれるハズだと確信しているのに、半強制的に最弱とされるチームと契約させられる。しかもFAできるのは4年後という縛りもついてくる。このドラフトが嫌で訴訟を起こした選手も中にはいましたし、一位指名してくれた球団と合意しなかった選手もいました。

 このレベニューシェアという考え方は、業界全体を盛り上げる大変パンチ力のあるアイデアですが、その実は球団側と選手側の大きな自己犠牲になりたっているとも言えます。

【戦略その2】チケット収入を確保する

 

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 NFLはものすごい観客動員数を実現しています。しかしそれにもからくりがあるんです。テレビ中継してたくさんの方がテレビの前で釘付けになります。しかも技術の進歩によってテレビ画面も巨大化して、情報技術の進歩とテレビとの親和性も高く、なんなら生でみるよりテレビの方が楽しかったりします。そうすると、みんなスタジアムに行かなくなりまして、実入りが減るんですね。

 これを回避する必殺技が、スタジアムの動員数が一定を超えないとテレビ放映しない、というルールです。これはものすごい効果があります。チケットを販売する側からすると、個人客を対象に販売するのももちろんですが、法人客を相手に販売する口もたくさん生まれてきます。会社を経営している人たちは、「お前みたいなところが買わないから、俺たちの娯楽がなくなるだ!この守銭奴め!」という世論圧力から避けるために、おそらくレギュラーシーズンパスなどを買わされていると思います。

 そうすると、自然とスタジアムに足を運んで、生でそれを見る機会がふえて、球団に対する愛情が企業という単位を中心に、末端まで広がり、街全体でNFLを応援するというムードが生まれてくるわけですね

【戦略その3】テレビからの収入を増やすこと 

 

 

 先程もいいましたが、アメフトはテレビとの親和性が非常に高いスポーツです。というのもアメフトの試合時間は15分4クォーター制の1時間なんですが、実際には4時間くらいかかります。つまり3時間ちかくが停まっている時間なんですね。ハドルを組んでいたり、チームの入れ替えだったりです。

 この3時間ちかくがCMの時間になるわけです。リーグ側からすると、大変高い視聴率の番組、その3時間がCMですから、ガンガン広告いれられるわけです。これは素晴らしい仕組みです。

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 その高視聴率を利用して、各地域放送局は日曜日のデイゲームを中継してたくさんの広告宣伝費を集めるわけですが、これまた上手いことやるのが、月曜の夜に特別にずらして試合をするんです。MondayNightFootballというのですが、この試合だけは全米生中継なんです。だから広告収入も爆上げです。選手もやる気出ます。地域に住んでる人も自分の地域外の試合を見るわけですから、NFLリーグ全体に興味が生まれますよね。月曜日の夜というのは、日曜日の夜の次に在宅してる人数が多い時間帯なんです。つまり視聴率がいい。これをしっかり狙って、試合日程を決定してるわけですね。

 楽しいテレビを支えてる背景には様々な技術革新も追い風になっています。スタジアムの各広告スペースは実広告(すなわち看板)ではなくて、サイバー広告ですし、スクリメージラインと10ヤードラインを見えるようにするバーチカルラインの技術や、選手同士の会話が聞こえるSound FX、上空、地表にたくさん散りばめられたカメラ、各選手の実績を紹介するDB技術の発達など、枚挙に暇がない状態です。これらの技術革新により、テレビが本当に面白くなっています。

 さらに言うと、ドラフトまでもテレビ中継します。それはドラフト会場だけでなく、ヘッドコーチとGMがいる各球団の会議室までも中継するので、それこそ手に汗握るドキュメンタリーがリアルタイムで放映されます。アメリカで一番人気のスポーツは、NFL。次にメジャーリーグMLB、三番目はなんと大学アメフトなんです。日本でも高校野球が人気なのは、「この中から次のスター選手は誰だ!」っていう楽しみかたがあるからなんですね。アメリカはそれをもショーアップして、ビジネスにしてしまう。非常にアイデアがあります。

結びに

 さ、知っていることは全て終わりました。まだまだこれからも新しい技術が導入されていくことと思います。毎年ルールが微妙に変わり続けてることもNFLの特徴です。リーバイスステジアムにはたくさんのIT技術が搭載されていて、まさに時代のスタジアムとして君臨しています。Intelが開発した、選手目線でのプレイを楽しむ技術も本格導入されるでしょう。

 リーグが儲かれば、選手も儲かる。業界全体が儲かる仕組みを考えるというのは、大変に資本主義の逆をいくような、反アメリカ的なんですが、それがスポーツ界で一番うまく成功してるのも面白いところです。サラリーキャップも毎年上昇しています。選手のもらう給与ももっと増えるでしょう。

 NFLがもっともっと面白くなるよう、ファンとして応援していきます\(^o^)/